Youright的な見解

あくまでも私的な見解である

衆院選 戦後最低の投票率!!国民の半分しか参加しなかった選挙(投票率が下がれば誰が得するのか?)

 第47回衆議院議員総選挙は、大方の予想通り自民・公明が3分の2議席獲得という圧勝で幕を閉じた。

 衆議院での3分の2議席とは、参議院で否決された法案を衆院で再審議できる議席数である。つまり、衆院で与党が3分の2議席をもっていれば、「ねじれ国会」とならないわけだ。言うなれば、衆院による独裁体制が成立するわけで、本来の参院の意義である「良識の府」が体を成さない形となる。とは言っても、現時点では参院も与党が過半数を占めている状態なので、「良識の府」の機能が果たせているとは言い難いだろう。

 何れにせよ、あらゆる法案が衆議院の与党のみ・事実上、自民党のみで可決できるわけであり、一部で揶揄されているような「自民党独裁政治」が行われる・行われないの真意は定かではないが、少なくとも、その準備は整ったのである。 

 

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戦後最低の投票率

  今回の衆議院選挙の最終投票率は52.66%と、戦後最低であった前回の衆院選の59.32%を下回り、戦後最低記録を更新した。

 投票率が52%とは、国民半数の民意しか反映されなかった意味である。

 

 確かに結果は自民党の圧勝であったに違いない。

 だが今回の選挙では、決して自民党は国民から選ばれたわけではなく、国民は自民党を選ばざるを得なかっただけである。

 

  今回の選挙期間中、SNSなどネット上では「投票したい候補者がいない」とのコメントが多くの場で見かけられた。前回の記事でも触れたが、民主主義の選挙の厄介な所は、立候補した者が必ず当選する」という事である。

 例えば、「投票したい候補者がいない」との理由で、投票を棄権する有権者が全体の9割いたとする。しかし残りの1割が投票すれば、選ばれた者は確実に当選するわけである。この場合、9割の民意は無視され、1割の民意が全体の民意となるわけだ。つまり、「立候補した者が必ず当選する」という意味は、たとえ投票したい候補者がいなくとも、その中からよりマシな者を選ぶか、もしくは、自身の意は無視されると諦めるしかない、という事である。これは民主主義の欠陥ともいえるが、民主主義とは、そもそも、このような愚かしいシステムなのである。

 

 しかし、世の中のあらゆる事象は結果が全てであり、それは選挙であっても変わらない。

 自民・公明の獲得議席は3分の2程であり、投票率から考慮すると30%弱の民意によって選ばれたに過ぎない。しかし民主主義においては、30%弱の民意こそが国民の民意であり、結果として自民党は国民から選ばれたという事なのである。

 

投票率が下がれば得をする者

 選挙での投票率が低ければ得をする者は、既成政党である。

 既成政党が得をする理由は、彼らは組織票と呼ばれる票を得ることができるからだ。組織票とは、その政党の「熱烈なファンによる票」と言えば聞こえが良いが、実際は、その政党と利害関係のある「企業・組合・宗教団体など」によって集められる「確実性の高い団体票」の事である。

 組織票を多く持つ具体的な政党名を挙げると、自民党 民主党 公明党であるだろう。中でも自民や民主のような巨大政党とは違い、小規模な政党である公明党は組織票の影響を最も受けている政党であると言える。

 公明党の支持母体である創価学会は組織票の収集能力が高い。選挙時に会員の方から「投票は公明党へ!!」と勧められた経験のある方も多いのではないだろうか?実際、公明党議席数は組織票に左右されていると言っても過言ではない。しかし、現実的には創価学会の会員は国民の数パーセント程度でしかなく、組織票も同程度であるだろう。その数パーセントの組織票は、投票率が低ければ大きな割合を占めることになるが、投票率が高ければ数パーセントの組織票など微々たる割合しか占めないわけだ。よって、公明党にとって投票率は、低ければ低いほど有利に働くわけである。

 

 しかしながら、投票率は近い将来、確実に上がる日が訪れるだろう。

 その要因をもたらすものが、電子投票である。

 実際にまだ単なる案件にしか過ぎないが、銀行口座が電子決済が主流になった今、それは夢物語ではなく技術的には十分に可能なはずだ。もし電子投票が導入されれば、確実に投票率は上がり、やがて組織票などは大して意味をなさない物となるに違いない。組織票頼みだけでは、いつか限界が見えてくるだろう。

 

 評判はどうであっても、今、公明党の果たす役割は大きい。

 与党は、衆議院で3分の2議席を・参議院でも過半数以上の議席を獲得しており、実際、その殆んどが自民党議席である。現実的に自民1党だけで独裁政治が行える体制の中、ブレーキをかける役割を担えるのは、自らも称しているように、現在では公明党しかいない。

 今回の選挙で民意は公明党を選んだわけであり、有権者公明党が唯一の「良識の府」として、その役割を全うする事を信じる他に道はないのである。