Youright的な見解

あくまでも私的な見解である

安倍政権の心中を察してみる。

消費税が10%へ

まだ閣議決定されたわけではないが、国際世論を考えると来年10月に消費税が10%に上げられるのは確定だろう。実際に閣僚や自民党幹部も新聞等でその考えを強調している。

1回の内閣で2回の増税を実施しなければならない、安倍政権は辛い心境だろう。

 

そもそも消費税増税民主党の野田政権が置き土産したものである。

民主党政権下では、自ら掲げたおとぎ話のようなマニフェストをことごとく放棄し、経済政策もろくに打ち立てる事が出来なかった。そのあげくの増税であったことは言うまでもない。

もちろん最終的に自公民賛成で可決された法案であるわけで、現在の自民党に責任もある。

だが、この時期に安倍氏が再び自由民主党総裁になることは考えられていなかったし、デフレ脱却をターゲットにした明確な政策などは存在していなかった。

 

アベノミクス増税は仲良くできない

以前誰かが、デフレ脱却政策と消費税増税を自転車の二人乗りに例えていた。

初めから二人で自転車に乗ったらペダルは重く進まない、だが一人が降りて加速を手伝ったのちに乗ればスピードが出る。

この例えはわかりやすい(この場合どっちがどっちだかわからないが)。

どのみちこの国は増税しなければやっていけない。しかし、それを行う時期が悪いという事である。

アベノミクスというのはデフレ脱却の戦略であるわけで、アベノミクスが正しいと考えるならば、まだデフレを脱却していない時期に消費税の増税を行うと、名目GDPが下がり逆に税収が減ってしまう事になる。

これはアベノミクスに肯定的な経済評論家からも指摘されており、ことリフレ派と言われる層からは度々批判の的になっている。

 

国際公約という足かせ

当然ながら、安倍政権がこれらの事に気付かないわけがない。

だが2011年のカンヌG20サミットで、当時の野田総理は消費税増税国際公約とし打ち出してしまった。

これがひとつの足かせになっている。

国際社会では公約が守られているか否かで、その国を信用するかしないかを決める。

これはその国に投資をするかしないかの一つの基準でもある。

景気の回復には投資の促進が不可欠であり、投資が無ければ金利も上がらない。

現在国際市場が、アベノミクス第一の矢で日銀が大量に造幣し円安へ強制的に導いた事に対して、不信感を募らせているのは確かだ。

ここで公約違反をすれば、日本の信用が下がってしまうのは避けられないだろう。

 

国際公約を無視すれば、投資が減る。

増税すれば需要が減り、税収が減る。

 

今年4月の8%増税で4月~6月のGDPは大幅にマイナス成長となった。

これは増税前から駆け込み需要の反動と予想されており、現時点で株価は概ね15,000円あたりまで持ち直している。

しかし、公的な要素が下支えしている事は否めないだろう。

 

経済評論家の観点から見れば、やってることは『???』に見えるだろう。しかし、政策は経済学だけでは語れない部分もある。

そこらへんの安倍総理の心中をお察ししたい。