Youright的な見解

あくまでも私的な見解である

靖国神社を憂う

昨日の終戦の日、例年通り靖国神社は参拝者で賑わいを見せていたようだ。

私は年に数回ながら靖国神社に参拝へ行くが、この日の参拝は控えている。

8月15日の靖国は1度行けば2度と行く気が失せるほど混雑しているからだ。

それにこの時期は、暑い・・・。

 

そんな靖国だが、去年あたりから若者の参拝客が増加しているという話を聞いた。

これは前に触れたこの国の右傾化の表れなのかも知れないが、私は単に去年上映された「永遠の0」効果であると思っている。

もし「永遠の0」を見た人が、靖国へ初めて行ってみようと思うならば、8月15日に行くことはあまりお勧めしない。

ことジャニーズファンの若い女性には、なおさらお勧めしない。

 

別の視点から見る靖国参拝の問題点 

終戦の日(だけにとどまらないが・・・)にマスコミが報じる靖国神社の映像は、閣僚や政治家の参拝風景等ごくごく一部でしかなく、私が見る限りでは厳粛な空気を漂わせて報じているように見える。

だがこれは行ったことのある人ならわかると思うが、大きな間違いである。

 

この日の靖国は、むさくるしい軍服姿の集団やおびただしい街宣車にはじまり、愛国デモ・反戦デモ・ヘイトスピーチやビラ配りなどで、完全にカオス化している。

あの状況を見ると、「日本帝国主義を賞賛し戦争美化をしているのでは?」と疑ってしまう。

 

しかしながら、そんなにぎやかな靖国を日本のメディアが報じる事はほとんどない。

これはおそらくは自主規制だろう(もしかしたら、関東だけかもしれないが・・・)。

一方、近隣諸国(中・韓)のメディアからすれば、こんなにおいしい反日ネタは他にないはずだ。

日本帝国主義万歳~!!』の映像を流せば、番組が盛り上がること間違いなしである。

そんな場所に一国の総理が参拝に行くとなれば、たちまち大騒ぎになるわけだ。

 

特別な日以外の靖国は静かなものである。

だが近隣諸国のメディアが、誰もいない靖国を報道することはない。なぜなら、盛り上がらないからだ。

報道する際は2月だろうが10月だろうが、絶対に盛り上がる8月15日の『日本帝国主義万歳~!!』の映像を使う。

メディアはそういう事を平気でやるし、そもそもメディアなんて日本を含め世界共通そういうものである。

それを見た視聴者は当然、「靖国神社はいつも日本帝国主義者であふれかえっている」と洗脳されるわけだ。

だから、遠く離れた近隣諸国の人達にとって、行ったこともない靖国神社のイメージは、いつも8月15日の靖国神社になっている。

 

こうしたメディアの偏った報道も靖国問題を引き起こす要因の一つと、私は捉えている。

 

表現の自由ではあるが 

「死んだら靖国で会おう」

これは、戦時中の日本軍人の合言葉であり約束であった。

したがって、兵役についた方々が軍服をまとい靖国へ参拝する事は、戦没者の方々との約束を守る事であり大いなる意味がある(あった)はずである。

それは帝国主義を賞賛していたわけではなく、戦争を美化していたわけでもなく、只々純粋に約束を守っていたのではないだろうか?

 

私は個人的には、兵役に就かなかった方や戦争非体験者が行う軍服着用の参拝には疑問を感じており、その多くは愛国心アピールの為の自己中心的なコスプレパフォーマンスだと思っている。(これがいわゆる『日本帝国主義万歳~!!』な人である)

しかしながら、今日この国において表現の自由が存在するのは、この国の為に戦った先人達の上に成立しており、それらを否定することは先人達の功を否定する事になってしまう。

それを無視することはできない。

 

現在、靖国A級戦犯の合祀や宗教観の違いにより、国内外に多くの問題を抱えている。 

これらの存在が万人に受け入れられる事は難しいだろう。もしかしたら、そんな日は未来永劫に来ないのかも知れない。

だからと言って、主張し続ける事を止めるわけにもいかない。