Youright的な見解

あくまでも私的な見解である

朝日新聞の魅力を語る

 今日の朝刊は各紙が一面で、朝日新聞の謝罪会見について報じていた。

 朝日新聞は昨晩、同紙が5月20日に報じた「(東電社員が)命令違反で撤退」記事を誤報と認め撤回し謝罪する会見を開いた。この誤報の責任を取り、報道期間のトップである編集担当を解職すると発表した。また、先月5日の従軍慰安婦記事の訂正記事についても言及し、謝罪をしなかった点も、反省していると述べた。

 

撤回記事の内容とは

 問題となった「東電社員が命令違反で撤退」記事は、東日本大震災時に福島第一原発で当時所長だった故吉田昌郎氏が政府の事故調査検証委員に語った『吉田調書』を朝日が独占的に入手し、それを履き違えた所から始まる。

 朝日はこの証言を検証し、その記事で「事故当時、吉田所長の命令を無視して、職員の9割が現場から逃げ出し、この事実を東電はずっと隠し続けていた」と報道する。しかし、産経新聞が先月にこの吉田調書を入手しその調書の内容を紙面に公開したところ、内容が全く違っていたのである。

 本来の調書には、「事故当時、吉田所長は『一旦退避し次の支持を待て』と命じたのだが、指令のやり取りの途中で『線量の低い10キロ離れた福島第2原発まで退避せよ』という命令内容に変わってしまい、職員は皆そちらに行ってしまった」と書かれており、さらに吉田氏は「皆が第2まで退避した判断は、はるかに正しい」とも付け加えられている。

 つまり逃げたのではなく、体制を整える為に一時退避したのであり、現場から10キロも離れたところまで下がったのは、伝達ミスであったわけで、最終的にはそのミスにより生じた結果も「正しい判断であった」という事である。

 

 だが、朝日の記事には「職員が逃げ出したことにより、福島第一原発は危機的状況に陥った」とまで書かれていたのだ。

 

話はこれでは終わらない!!

 事もあろうに、この内容は世界中に流れてしまったのだ。

 今年の4月に韓国で起きたセウォル号沈没事故において、本来乗客の命を預かるはずの船長以下船員達が乗客150名を無視して自ら率先して逃げ出したニュースは、日本でも記憶に新しいと思う。日本人は皆、このような非常識で非道徳的な行為に、もはや怒りを通り越して呆れはてた感情を抱いたことだろう。

 だが日本人も、世界中から「セウォル号の船員達と同じ穴のムジナである」と思われてしまったのである。

 

 朝日新聞とは100年以上続く歴史を持ち、国内発行部数第2位の世界が認める日本のクオリティペーパーであり、タブロイド紙やゴシップ紙では決してない。当然ながら国際的に与える影響力も絶大であるわけで、今回の「(東電職員が)命令違反で撤退」記事は、瞬く間に国外へ飛び火してしまったのである。

  • アメリカ・ニューヨークタイムズ> 数百人の所員は命令に反して被害を受けた職場を放棄
  • <イギリス・タイムズ> 勇敢にメルトダウンに立ち向かった所員たちは「フクシマの50人」として有名になったが、全く異なる恥ずべき問題があらわとなった
  • <韓国・ソウル新聞> 福島事故でも、セウォル号の船員たちと同じだった

これら各国の記事から見て分かるように、「福島で命を懸けて事故対応にあたった職員たちは、世界中から卑怯者のレッテルを張られてしまった」のである。

 

反省ではなく、単に追い詰められたから

 朝日新聞が記事の撤回に至った理由は、決して自らの非を認め反省したからではない。

 政府は、事の発端となった『吉田調書』を本人の生前の意思により非公開としていた。しかし、朝日が入手し・産経が入手して公開したことから、非公開にする意味がなくなり、昨日の11日に政府の事故調査・検証委員会は公開に踏み切ったのである。

 

 問題の記事掲載後から、ジャーナリストなどは週刊誌やブログで「事実と違う」「誤報である」等の批判を展開したが、朝日は当初、強気の姿勢を見せていた。なぜなら、掲載当時に吉田調書を入手していたのは朝日だけであり、言わばこのネタは朝日新聞のスクープであった。それ故、批判をする人物が調書を持っていない事を盾にし、逆に「抗議や名誉棄損で訴える」と脅す等の強硬な態度を貫いていたのである。

 しかし、産経新聞が朝日に遅れること『吉田調書」を入手し、先月18日から「妙録・吉田証言」というタイトルの連載記事で、10回に渡り調書の一部を公開することになる。その後、『吉田調書』は独り歩きし、記事に批判していたジャーナリストや週刊誌にまでも行き渡る事になり、朝日の形勢は一転して劣勢となったのだ。

 そして昨日、朝日新聞が敵視している自民党政権によって『吉田調書』が公開され、これにより、調書は全ての人達が閲覧できる公な物になってしまったのである。

 『吉田調書』が公な物になった同日、朝日新聞社は謝罪会見を行った。

 もはや、逃げることは出来なかったのであろう。

 

日本国民1億総叩きに合う朝日新聞

 朝日新聞は現在、戦後で最も辛い状況にあるだろう。

 8月5日の「慰安婦記事訂正」以降、ネット上では常に批判の的であり、新聞・TV・雑誌などには連日叩かれ、今では政界も超党派で非難を浴びせている。また最近では、朝日の社員個人にも影響は及び、車を傷つけられる・家に悪戯される等の被害が起こる状況にまで進展しているのだ。今や社員達は朝日新聞所属と言うだけで恥ずかしい思いをし、記者クラブでも居場所をなくし、名刺を出すこともためらってしまうという。

 だが残念ながら、朝日の心情に国民が同情する事は難しいだろう。

 

 現在、日本は既に世界中から性奴隷国家という烙印を押されており、国連では、日本が慰安婦に対し謝罪と賠償を促す決議が出され、アメリカの議会でも同様の決議が出されている。また慰安婦像なる歴史を捏造する銅像も各地で次々と建てられ、もはやこの不名誉な誤解を止めるのは不可能な状況にある。

 これらの全てが朝日新聞だけに原因があるとは言えないが、しかし、全ての始まりは同紙が報じた「従軍慰安婦報道」である事には間違いない。

 そして今回撤回した元の記事の内容も、命を懸けた日本人を卑怯者と報じ、世界中へ不名誉な存在としてしまったのだ。

 

 果たして朝日新聞社は気付いているだろうか?

 これらの問題は、我々の世代だけではなく「我々の子供や将来の孫にまで汚名を着せてしまった」という事を...。

 

 その未来の世代には、自分達の子共や孫は含まれないのだろうか?

 朝日新聞社の子孫だけは、特別で差別されないのであろうか?

 もし違うのであるなら、同紙は失われた日本人の名誉回復の為に、持てる力の全てを生涯に渡り注ぎ込むべきである。

 

朝日新聞の魅力は今回は語れませんでした)