先週は、20日未明に発生した広島の土砂災害のニュースが連日報道され、改めて人々は自然災害の恐ろしさを認識をしたのではないかと思う。
今回の災害は土砂災害では日本では過去最大規模のものであり、ご被害を受けられた方には、心よりご冥福をお祈り致します。
土砂が崩れそうな地域に住むのが悪い?
世界から見て日本は国土が狭いと言われているが、実はそうでもない。
2013年の世界ランキングで日本は、面積が61位/206カ国であり、人口は10位/186カ国である。因みに人口密度では世界第19位となる。
しかし当然、国土の面積=人間の住める環境ではない。
日本列島は中心を山岳が縦断しており、国土の70%以上が山地で、平野と呼ばれるのは国土のわずか14%に過ぎない。
おおむね日本と同じような面積をもつイギリス・ドイツの『国土に対する可住地面積の割合』は、イギリスは88%・ドイツが69%であるのに対し、我が国は33%程度である。*1
一般的に、人間が住むのに適した環境は平野であると考えるのが妥当である。
だが日本は国土のわずか14%しか平地が無い、その上、世界で第10位の人口を持っているのである。
人口密度は総人口/国土面積で計算するが、これを総人口/平地で見比べると、国土で見れば336人/㎞2で世界19位だが、平地で見ると2,408人/㎞2で世界3位の規模になる。
因みに、人口密度の世界ランキング1位はシンガポール・2位は香港であるが、この2国は都市型国家であり単なる都市の延長であるに過ぎない。(要は東京が国家になったようなものである)
そんな国土の14%しかない平地に、世界第10位の人口全てが住むことは限界があるわけで、人々は居住地を求め平地から山の方へ移動せざるを得なくなった。
結果、元々人が住むに適さない山地を切り開き開発し、果てには崖の下ギリギリまで人が住むようになった事で、可住地面積が国土の33%に広がったのである。
この国では、人が住む土地(住宅用地)を勝手に作ることはできず、開発にはその土地を管轄する地方自治体の認可がいる。
自治体によって、人が住める環境であると保障された場所が住宅用地であり、そこに人々がようやく居住できるわけである。
当然ながら、そこに住む住民が納税の義務を全うしている以上、自治体は住民の安全管理を行う責任がある。
避難勧告の遅れに怒り
今回の土砂災害の原因は、様々なところで発表されているからここでは要約する。
まさ土と呼ばれる水を含んだら崩れやすい土でできた山に、大量の雨が降りそれが崩れ、そのふもとの地域に流れてしまったというのが原因である。
このように、まさ土で形成された山のふもとの地域では、過去にも全国規模で土砂災害が発生していることから、各自治体は災害の発生が予測される危険区域のリストアップ作業を進めていた。
広島市では全国的で見てもこの危険区域の箇所が多くあり、また同市では15年前に同じ土砂災害で31人の方が亡くなっている。そして当時、避難勧告を出せなかったという過去を持つ。
この教訓から、広島市では勧告検討の基準を水防計画で定めていたはずだった...。
今回災害発生の約2時間前に、水防計画の勧告検討基準の一つである土砂災害警戒情報が発表され、さらに災害直前の3時には実際に災害が起こった地区で、計算上の地中の雨量が規定を超えていたと報告されている。
しかし、この時点で避難勧告は出されなかったのである。
最初の災害救助要請は広島市安佐南区で3時21分に、男の子が生き埋めになったというもので、その後この地区に避難勧告が出たのは1時間以上経過した4時30分である。
災害対策基本法では避難勧告を出せるのは市町村の長と定められている。
にもかかわらず勧告を出す決定権をもつ広島市の松井市長は、3時に大雨の報告を受けた後から7時に登庁するまで自宅にいたというのである。
「こんな馬鹿でマヌケな自治体の長がいるか!!」
土砂災害は自然災害であるが、市民の犠牲は市長の怠慢による人災である!!
市民を守る責任がある市長が、その市民をおとしめるなど到底許されない事であり、この市長は業務上過失致死罪で問われるべきである。
こんな無能な市長のせいで、亡くなってしまった人々を思うと無念で仕方がない・・・。